3 従業員  “争い”のない賃金カット・リストラ対策 !!

事業再生のために賃金見直しとリストラを考えているC社長

社員が...
C社長は、デザイン家具の製作を中心に、カーテンなどの内装やリフォームまでを手掛ける家具店を経営しています。職人たちが作る伝統的日本家具製作は人気があるものの、店舗周辺は過疎化が進み、売り上げも下落の一途です。
C社長プロフィール
年齢:40代(男性) 従業員数:20人 事業内容:家具製造販売およびリフォーム業
実は、当店がある住宅地はだいぶ前から住民の高齢化が進み、若い世代も地元から離れ、過疎化が進んでいます。そのため、年々、売り上げは下降線をたどっています。そこで、過疎化のこの町を離れ、会社を5駅先の新興住宅地へ移転しようと計画しています。移転と同時に、賃金の見直しとリストラを敢行し、若手・中堅中心に事業の再生をしようと考えていますが、どのようなリストラが受け入れてもらえるでしょうか。
C社長
一方的なリストラ(整理解雇)というのは、労働者の生活の基礎を失わせることになるため、権利の濫用として無効と判断されます。リストラは、客観的にやむを得ない事由のある場合、つまり、会社が経営危機に陥り、会社の存続や再生を図るためにやむを得ないときのみに、大変厳しい条件を満たした上で、やっと認められるものなのです。
事業再生110番
えっ、でもこのまま全員を雇用していると人件費だけで赤字が膨らみ、事業の再生も危ぶまれます。
C社長
リストラをするまえに、まず、その他の経費のカットができないか、細かなところまで検討をする必要があります。その上で、リストラの前に、退職者の募集や賃金カットなどの企業努力をしていないと、リストラは最終的な手段とみなされません。
事業再生110番
具体的には、どのようなことをすべきでしょうか。
C社長
1つの方法は、解雇ではなく社員を休業にして雇用を継続させる「中小企業緊急雇用安定助成金制度」*1を利用することです。この制度では、国から給与の6割の休業補償をもらうことができます。ただし、この制度を使って休業をさせたとしても、社会保険料は会社が負担しなければならないので、人件費はゼロではありません。しかし、リストラをするにしても「解雇予告手当」が発生することがありますので、こちらも支出を伴います。リストラの実施は、社内に「次は自分か」という疑心暗鬼が増幅し、業績にも少なからず影響しますので、「雇用を守る」という姿勢のほうが望ましいのではないでしょうか。
また、休業中に休業者とじっくり話し合うこともできます。
事業再生110番
それも一案とは思いますが、それでもリストラをしたいのです。賃金カットもしたいのですが、士気は落としたくないので、一部の人だけリストラを考えています。
C社長
会社努力をせずにいきなり指名解雇でリストラを敢行すると、その社員から訴えられる危険性があります。訴えられれば、訴訟費用もかかるし、その訴訟のための時間もとられ、かえって、余計な出費が必要になります。
事業再生110番
では、賃金カットはどうすればよいですか。
C社長
賃金カットをするには、最初にトップからその姿勢を示すことが必要です。役員報酬のカットをしないで、従業員だけ賃金カットをするということでは、納得を得られるはずもありません。
カットする金額は基本的には10%以内*2ですが、ここは相談となります。また、賃金カットの期間も明確にする必要がありますね。
賃金カットをするときは、全社員に会社の状況を率直に説明し、賃金カットの必要性や具体的な方法を説明します。さらに、今後のビジョンや事業再生へのシナリオを語ることも忘れないようにしましょう。将来の展望があるからこそ、一時の苦難を乗り越えることができるのです。
事業再生110番
その後、リストラという考えでよいですか。
C社長
そうですね。リストラの人選にも順序があります。退職することによって家庭に与える影響が少ない人、勤務態度等に問題がある人、病気等によって職務遂行に支障がある人、懲戒処分を受けたことがある人、会社に対する貢献度が低い人などとなります。
基本的に退職希望者を募ってください。ただし、有能な人物が辞めていくケースも多々ありますので、やはり、リストラは最終手段としてください。
人材は、会社の財産ですので、できるだけ流出を防ぎ、「中小企業緊急雇用安定助成金制度」で雇用を守ったほうが得策です。
事業再生110番
*1  中小企業緊急雇用安定助成金
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/a01-2.html
*2 労基法91条「労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、 その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が 一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」
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